ガレージ

 

喫茶店の駐車場にとまっていた真っ赤な308GTB。

初めて近くで見たフェラーリ。

少年は、感動した。

こんなに美しい車。

まるで異次元の車。

当時は、スーパーカーブームだった。

でも、少年は車が好きだったが、スーパーカーに興味を示さなかった。

どうしてもあのマンガの絵とストーリーが好きでなかったから。

 

少年は、大人になった。

憧れていたフェラーリがほしかったが、バブル期。

フェラーリには、とんでもない値段がつけられていた。

現実的に所有できるスポーツカー。

ポルシェの中古を手に入れた。

それから、ポルシェの魅力にはまり、何台も乗り継いた。

しかし、フェラーリへの嫉妬は、だんだん増すばかり。

ポルシェの性能は素晴らしいが、フェラーリの芸術的なデザインにはかなわない。

ポルシェとフェラーリ。

存在する場所が違う。

ある時から、ポルシェとフェラーリの両方を所有する欲望がわいてきた。

少年時代に見た憧れのフェラーリ。

人生の折り返し点で、フェラーリを手に入れた。

ガレージには、ポルシェとフェラーリの2台。

今日は、どっちに乗ろうか?

考えただけで、わくわくする。

究極の選択。

そして、至福の選択。







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